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全国講演回数800回、かの有名な著書『繁盛商店街に必ずなれる』の著者、コンサルティングのプロがあなたのお店・商店街を危機から救い出します。

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一筆撰OPINION

商いの心

『繁盛商店街に必ずなれる。』と言う書物を書かせていただいてから七年を経過しても売れており、ネットでは大手が、まだ広告を出していただいております。なんと感謝して良いかわかりません。

 そのなかで、身に余る『書評』をいただいた中に、商店街を展望した素晴らしいコメントがありましたので、その一部を紹介してみたいと思います。

 ・・・・・ ビジネスのテクニックや、マネーゲームの解説書は巷に溢れているが、唯そういうものだけを追い求めてきたことが、今の世の中を作ったと言っても間違いとは言えないと思います。〈中略〉何が違ったのか。何が足りなかったのか。共同体社会としての地域、そこで商売を営んで暮らす一人一人に今、必要なことをおもいださせてくれるようにおもいます。原点に立ち返り、商売とは何なのか、地域社会とは何なのか。そこから商店街をあらためて見直していき、再生と活性化に向けて、自分たちの足で歩いていけるように背中を押してくれる要素が詰まっていると思いました。・・・・・

 この書物を熟読玩味して、さらに御自分で、因果関係と方法論を再構成して、一個の論文と言っても良いものをいただき、感謝に堪えません。この『書評』の示唆するところをくみ取り、これからも社会貢献としての地域商業に対する貢献を続けてゆきたいと改めて決意を新たにした次第であります。

日本一の商店街への『こだわり』と『やせ我慢』:武蔵小山の靴屋


 『こだわり』と『やせがまん』言えば、10数年になってしまう『老舗の商法』の研究の到達点でもあり、商売の極意である。その靴屋さんは、日本一の武蔵小山商店街にあって、10坪以下の極小面積の商店である。

 その靴屋さんの一日は、地下までしまい込んだ靴を階段の両脇に並べ直す事から始まる。何故始まるのを知っているか。これは、研修所の地域行政課題研修・商店街診断で、市町村の商工振興係長を引率して、武蔵小山商店街の当時の販売促進部長のご縁で、武蔵小山商店街を診断さしいてたいただいた時のことである。朝から晩まで観察してわかった事である。

 即ち、晩になって閉店時には、階段の両端に並べた靴を地下に詰め込んで、シャッターを閉めて一日が終わる。これの繰り返しである。何回かみかけた。そこまでこだわるのは、日本一の集客力を持つ武蔵小山商店街で、一途に商売をしようというこだわりであると同時に、その裏にはやせ我慢があることは明らかである。

 もう少し大きな店を探したら。これだけ安売りをしているのだから、他でもやっていけるよとか。外野の声はやかましいが、この店主のポリシーは、そんな生やさしいものではない。日本一というプライドと、お客様へ良い商品を安く提供できるから、このスタイルを変えないのだという誇りでもある。

「赤ちゃんや本舗」〜コンサルティングセールスの鏡


 なんと言っても『コンサルティングセールスの鏡』(コンサルティングセールスとは、お客様の身になって買い物のアドバイス等を行う。)といえるのは、京浜東北線の駅からかなり離れた、商店街にあり、幸いに、マグネット機能(お客を磁石のように吸い付ける機能)を持つ施設に隣接するベビー用品全てを商う『赤ちゃんや本舗(チェーン店の赤ちゃん屋本舗ではない。)』の事であった。

 何がすごいか。店主の友人に言わせれば、『ここの社長は、下手な小児科のお医者さんより赤ちゃんの病気やけがのことは詳しいよ!』というのが全てのノウハウである。若いお母さんが引きも切らないわけである。なぜなら、子供の具合が悪いことは、死にたくなってしまうそうである。しかし、決然として、ああ、それはもう医者に行かなければダメだとはっきりと答えることもある。

 気休めはけして言わない。これ全て『おばあちゃんの知恵袋』を使って、核家族化した現代の家族の有り様のひずみを、見事に補うことによって、自分の商売に結びつけている知恵と工夫の勝利でもある。

 医療の様々な規則に触れませんか。否、これ全てクリアーしている。何故なら、心配事を解消して差し上げた上、『おばあちゃんの知恵袋』に書いてないことは一つも言わない。これはもう病院に行きなさいと言う相談者離れの良いコンサルタントであるからである。

商店街の究極の「戦略」


 大型店どうしは、オーバーストアーで、たたき合いが始まっているので、空中戦をさせておけば良く、その戦いにコミットすることなく、一次商圏(自分の店から半径500メートル)のうち、扱い品目(まずは得意な品目から)の内、7割を目標として、なりふり構わず、銃弾爆撃を仕掛ける。

 一次商圏内全てのお客となりそうな住宅を、隈無く回り、手配りチラシを効果的に投げ込む。そのチラシがノウハウで、チラシには・・・『ファツクスによる注文受け。』・『宅配』・『ご用聞きの希望の有無』・『最近の困りごと』『お店への要望』等全て記入できるよう作成する。

 全ての中には、若い娘さんの結婚情報だって良い。要は、商店街の全ての店が町のホットステーションを目指し、気楽に冗談の言える店になること。隣のねこの話でも良い。

 要はお客様有っての商売であることを常に意識することである。

地域商業(商店街)の必須条件


 地域商業にとって、「売れるお店」の共通点と言えば、一、近所で評判がよいこと。二、ご夫婦仲がよいこと。三、夫婦共に健康であること、に尽きる。

 コンピューター・学歴、何ら関係がない。やはり、一が肝腎で、近所で評判の良いと言うことは、かなりいろいろな気配りが必要である。一言で言うと、「ずるいと受け止められてしまう残念な、商売をしないと言うことである。」説教がましいことを言ってしまったので、心に残る繁盛店のノウハウを一つ紹介しよう。

 武蔵野線の駅から離れた、商店街の入り口にある肉屋の奥さんの料理カード、と言っても広告の裏をきれいにカットして使っている。いわば、メモ用紙である。このメモ用紙が若い奥さんをとらえて離さない。春雨サラダは、最後に・・・・とか、酢豚のアレンジは・・・・とか、理屈ではない情報・すぐ役に立つ情報である。メモに簡単に書いてくれる。若い奥さんはこれを集めている。このカードが貯まってくれば、どんどん血の通ったノウハウが、増えてくると言う仕組みである。

 けして付録の料理カードは、悪くない。親しみやすさと実利性が、100点満点なのである。本当に血の通った知識が簡単にわかる。これをノウハウと言って良い

顧客の「囲い込み」


 最近の講演の依頼は、ほとんど商店街振興組合からで、「ポイントカード」の経営戦略についてである。そもそも「囲い込み」とは、個々の商店の魅力の積み上げによって、商店街全体からお客を逃さないシステムを構築することである。ポイントカードによる売り上げは、もう1兆円を越える勢いで、大型店がらみが8割を越え、商店街は2割に過ぎない。

 ずば抜けているポイントカードを探していたら、県内岩槻に「わくわくポイントカード」という優れたカードがあった。商店街の会費を500円値上げするのも大変な争いになる昨今の状況にあって、良くここまで頑張ったなあと思わずにはいられなかった。

 一例を挙げれば、家具店・コンタクトメガネ・美容室・食堂・ヘアーショップ・モーターサイクル・レストランなどで、カード提示で、眼鏡コンタクト50%引き、商品全て10%引き、ポイント3倍、ラーメン大盛りを普通盛り料金、小学生以下アイス(甘味)無料等々である。商店街にとって経営戦略がいかに死活問題であるかがわかる。

 しかし、個店の魅力度を高めるノウハウは、自分の店と同様、他人の店も愛して、買い物を商店街ですることに尽きる。


バナースペース

潟Nロスオーバービジネス研究所

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代表取締役 西澤 實


著書 戦争論は経営戦略の玉手箱
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